篠山の方言アラカルトーいきし と かえりし

ある旅行への私製案内状を見てあらためて驚きました。
 
「往きしは高速道路、帰りしは地道・・・」
 
さて、「往きと帰り」はわかるのだが「往きし」と「帰りし」となると???
 
文章になって初めて気づく方言もあるのです。
普段は何気なく使っているこの「往きし」と「帰りし」。
こんな会話を聞いたことはないですか?
 
「あんた往きしは送ったげるけど、帰りしはタクシーで帰っておいでや」
 
なぜこの「し」が必要なのか定かではありませんが、辞書には「往きしな」(往く途中)とあるので、言葉を短くするのが今も流行っているようにおしゃれな昔の篠山人が短く したのかもしれません。よ~く耳を澄ましてみてください。あちこちで「往きし」「帰りし」が飛び交っているはずです。
 
「往きしはええまんやったのに、帰りしは悪まんやった」(往きはいいお天気だったのに帰りは雨だった)
「往きしは井串(篠山のある地名・・いくし)へ寄っていくさかい」(往きは井串へ立ち寄って往きます)
 
このようにさりげなく篠山の香りがする言い回しはまだまだ健在です。篠山口駅の時刻表に「往きし」「帰りし」の表示があれば楽しいのにと思います。
 

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