篠山の方言アラカルトーえらい、しっぽりやなあ

夕暮れ時、愛犬「ポチ」をつれて散歩しているとどこからともなく「えらいしっぽりやなぁ」の声。
「うちのポチ、そんな大きなしっぽやったかいな?」と確かめてみたが、どうもそんなことを言っているのではないらしい。頭を傾げていると突然、幼い頃の母親の里での思い出が甦った。
あれは祖父の畑仕事を手伝っているときに近所のおじいさんが、確かこういったのだった「あさまとうから、しっぽりやっとてやにぃ」そうだ!あの時の「しっぽり」と同じだ。
そう気が付いた私はとりあえず散歩を切り上げ、机に向かいペンを執った・・とまあ人気作家なみのプロローグになりましたが、この「しっぽり」という言葉、この地方独特のものかどうか定かではないのですが、最近あまり聞かなくなったのは事実です。
意味は「(夕暮れ)遅くまで」とでも訳せば良いのでしょうが、現在の言葉では言い表せないのが、土地に染み付いた方言の良さだと思います。夕方遅く遊び疲れ、どろんこになって帰ってきた子どもに「えらい、しっぽりやったにぃ。
どこまでいっとったったんじぇ」という母と「ようほたえたさかい、おなか減ったやろう。せいだいて食べや」という祖母、そしてとなりで黙ってビールを飲んでいる父、・・少なくなったでしょうね、そんな家族」(注釈)「あさまとうから」朝早くからの意
「せいだいて」この場合、たくさん(たっぷり)の意
 

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