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建物の重要性を表した懸魚


復元される大書院の大屋根破風の懸魚
 懸魚とは中世以降書院造りや社寺・城郭 の破風に、棟木や桁の端を隠すために取り付けられた装飾板のことです。
その原形は、中国から伝えられたもので、二匹の魚を腹合わせにして吊るし、吉祥を表したものといわれています。
その種類は、猪の目懸魚(ハート形またはヒョウタン形の彫 刻のあるもの)、蕪懸魚(蕪の形をしたもの)三つ花懸魚(下と左右に花形をデザインした複雑なもの)、梅鉢懸魚(六角形をしたもの)、兎の毛通し(唐破風の懸魚で蕪懸魚を左右に平たくした形)の五つあり、建物によって巧みに取り入れられています。
篠山城の大書院や櫓等を古写真・絵図で見ていくと三つ花懸魚・蕪懸魚が大半を占めていたようです。特に、大書院大屋根の破風は三つ花懸魚になっており、京都二条城の御殿群・姫路城大天守閣と同様の大変複雑で美しい形をしています。
三つ花懸魚は、城郭や社寺の建物群の中で特に重要な建物に取り入れられた形であり、篠山城が天下普請の城として、重要視されていたことをうかがい知ることができます。