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土中より城の歴史を探る(3)

大書院をはじめとして篠山城二の丸発掘調査で使われたと思われる陶磁器類が多く出土しています。
それを生産地別に分けてみると地元の丹波立杭焼をはじめとして九州の有田焼系統の磁器唐津系統の陶器また愛知県から岐阜県にかけての地域で生産された瀬戸美濃焼京焼系統の陶器。
さらに江戸時代末期の篠山藩窯王地山焼をはじめとした焼塩壷土師器皿などが出土しました。
また中国製の椀も少しながら出土しました。その中でも特筆すべきものは伝世品とみられる中国磁州窯の壷であります。この壷は白地に鉄絵で雲龍を描いたもので復元の大きさは口径13㎝、腹高24.7㎝胴部最大径28㎝底部径11㎝ となります。
形はロクロで作り土はち密で淡い白色。焼き上がりは大変良好です。 文様の描き方は壷の表面に向かい土を薄く塗りその上に龍および雲の部分を黒茶色釉で塗り龍のうろこや目耳雲の渦巻き文をヘラ状の工具で削り落として表現する極めて丹念な作りとなっています。
中国北部河北省で生産されたこの磁州窯の壷は現在日本では数個しか伝わっておらず今回陶片ながら篠山城二の丸で出土した壷を通してだれからだれの手に渡って使われてきたのかなど歴史の流れやそのロマンを感じずにはいられません。