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王地山平左衛門稲荷神社‐負けきらい稲荷‐

王地山公園内

王地山平左衛門稲荷神社(負け嫌い稲荷)の写真 王地山公園の西側、赤い鳥居がトンネルのように続く長い石段を丘上に登ると、「王地山稲荷神社」と向い合って、土俵の上にお祭りされているのが「平左衛門稲荷神社」である。またの名を「負けきらい稲荷」といい、次のような話が語り継がれている。
 「篠山藩主青山忠裕公が老中であった約175年前の文政年間のころ、毎年春と夏に、江戸両国の回向院広場で、将軍上覧の大相撲が催されていた。ところが、いつも篠山藩のお抱え力士たちは負けてばかりであった。
 ある年の春場所のこと、篠山から来たという「王地山平左衛門」ら8名の力士と行司1名、頭取1名の一行10名が現れ、土俵にあがると連戦連勝してしまった。負け嫌いのお殿様は大変喜んで、その者たちに褒美をやろうとされたが、どこにもいない。後で調べてみると、なんと全員が領内のお稲荷さんの名前だった。そこで、それぞれに、幟や絵馬などを奉納して感謝したという」。
 いまは、招福除災・商売繁盛・勝利守護、それに合格成就の神として広く信仰されている。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。